アンチェインな生活 海外生活回想録編

もっと自由で有意義な生活を切望する中年男が、若かりし日、アンチェインだったカナダ生活を回想するブログ

アメリカ合衆国をバスで回りたおすぞ!パート3 インディアンとの宴

ムーネです。25年以上前のトロントでのワーキングホリデー生活を記憶をたどりながら書いています。それではお楽しみください。

とりあえず糞ボロいが安いホテルをGETできたドイツ人3人+日本人独り(私)はホテル周辺を散策することにした。

リーダー的存在のバルドが現地の人間に声を掛けた。

「何処かお勧めの場所はないですか?」

現地人が気さくに答えてくれた。

「お前ら何処から来たんだ?」

「3人はドイツで1人は日本です」

「そうか、俺達はこの地に古くから住んでいるインディアンだ」

男は自分達をネイティブ・アメリカンのインディアンだと言った。
インディアンと言えばアリゾナ州などに住んでいると思った。フロリダ州にいるなんて正直わからなかった。

男は40歳前後の威厳がありそうな男だった。少しだが怖さを感じた。
その男の傍らに若者がいた。その若者もインディアンだった。メタリカのTシャツを着ている今時の青年だった。
なんでメタリカのTシャツなんだ?
ふつうアンスラックスだろ!とツッコミたかった。

「お前達、1人30ドルだせば俺達がガイドを買って出るぜ!それも秘伝のインディアン料理付きだ!どうする?」

バルドは大乗り気だった。目を輝かせていた。他の2人もバルド程じゃないが、乗り気だった。
30ドルで車までだしてくれて、飯付きとなれば、好意でやってくれるのかと思ったが、私は大して乗り気じゃなかった。

その後、インディアン達の運転する車で各地を回った。大した場所には行かなかったと思う。湿地帯に行ってワニを眺めたくらいしか記憶に残ってない。

夕方になり、焚き火を囲みながら、インディアン料理なる物を食べた。
チキンを焼いた料理だったと思う。物珍しい料理ではなかった。

食事が終わり、火を囲みながらの会話が始まった。ドイツ人達は、よほどインディアンに興味があるのだろう。色々と質問をしていた。
私はみんなの話を黙って聞いていた。

インディアンが私に向かって言い放った。

「お前は何で黙っているんだ?お前達!日本人はいつもそうだ!そういう風に黙って自分の意見を言わない!何でだ?」

いきなりビックリした。ドイツ人達が色々と質問してくるのに、黙っている日本人の私にキレるとは思わなかった。

とにかく私が何も喋らず、黙って意見や質問をせずにいることが許せないらしい。
何か意見を言えと強要してきた。
別に質問や意見などなかった。
それより私が喋らなかっただけで、日本人がシャイな奴達と思われたのがシャクに障った。
このままではインディアンの怒りが収まらない。何を喋ったか忘れたが懸命に喋った。

「やればできるじゃないか!ジャパニーズボーイ!」

とりあえず私はインディアンから許しを得ることができた。何だか納得がいかなかった。

私的には余り面白くなかったインディアンとの宴も終わり、私達はホテルへと帰った。

翌朝、私はドイツ人達とマイアミビーチ沿いにある店で朝食を取った。
朝食後に皆で海へ行こうとバルドが誘ってきた。
二人のドイツ人がバルドに反論していた。

「この日本人も連れて行くのか?俺達だけで行こう!」

ドイツ語だったので定かではないが、二人の顔の表情と態度で、そのように感じとった。バルドが二人を叱咤した。

「ムーネ行くだろ?」

「行くに決まってるだろ!」

その後、私達は海へ行って楽しんだ。

つづく