アンチェインな生活 海外生活回想録編

もっと自由で有意義な生活を切望する中年男が、若かりし日、アンチェインだったカナダ生活を回想するブログ

アメリカ合衆国をバスで回りたおすぞ!パート2 そこの君!一緒に泊まらへん?

ムーネです。25年以上前のトロントでのワーキングホリデー生活を記憶をたどりながら書いています。それではお楽しみください。

ニューヨークには3日滞在した。次の地にフロリダ州マイアミを選んだ。
グレイハウンド・バスで30時間以上の旅になる。間違いなく過酷なバスの旅になることは分かっていた。
途中下車し、ワシントンDCやアトランタに寄ることも考えたが一気に南下することを選んだ。

とにかく糞寒いニューヨークからマイアミの温暖な気候に行きたかった。
マイアミは11月、12月でも泳げる最高な場所なのである。
ビーチでカクテルでも飲みながらブロンドヘアーの美女でも眺めて、最高のバカンスを送りたかった。

バスが出発した。バスの中では殆んど寝ていたので、これと言って楽しい事はなかった。感想を言うならば、30時間以上バスになんて乗るもんじゃないと言うことだ。

首、肩、背中、腰、足、全てがダル重くなった。
トイレ、食事休憩で何回か停車し、多少は回復したが、気休めに過ぎなかった。

どうにかこうにか地獄のバス移動が終わった。マイアミに着いたのはお昼前後だったと記憶している。
バスターミナルはごった返していた。
外は程よく暖かかったので、着ている上着を脱ぎ、Tシャツ1枚になった。

日本にいた頃から来たいと思っていたマイアミだ。興奮せずにはいられなかった。

先ずはユースホステルに寝床を確保しに行くことにした。雑踏を歩いていると、一人の白人の若者に目が留まった。

「誰かホテルをシェアしないか?」

白人の若者は道行くバックパッカーにホテルをシェアしようと声を掛けていた。

「そこの君!ホテルは決まったのか?シェアしないか?」

白人の若者が私に声を掛けてきた。

「yes!」

私はシェアしようと返事をしていた。
なんでyesと言ったのか、自分でもよく分からなかった。

見ず知らずの人間と寝床を共にするなんて日本にいる頃の私なら考えられない事だ。
皆さんもそうだと思う。

白人の若者は信用できそうな面構えをしていたので、とりあえず安心感はあった。
何か面白くなりそうな予感がした。

白人の若者は私の他に2人に声を掛け、合計4人でホテルに泊まる事になった。

白人の若者はバルドといった。ドイツ人の若者で歳は私と同じぐらいだった。
大学卒業の記念でアメリカを旅しているらしい。とても賢そうな奴だった。

あとの2人もドイツ人でアヒムとベンといった。この二人は仲間同士みたいで、余り感じは良くなかった。

ドイツ人3人の中に、日本人独り。不安といえば不安だった。例えば、この中に陽気なイタリアンでもいればまた違ったのだろう。

バルドが気を使ってくれてるのか?日本人の私に興味があるのか?色々と話し掛けてくれたので孤独感はなかった。

私達はできるだけ安いホテルを探した。一人10ドル前後だして、泊まれるようなホテルだ。

どうにかこうにか糞ボロいが安いホテルを探すことができた。
しかし致命的なことにベットが2つしかなかったのだ。
二人で一緒にベットで寝ようなんて気持ち悪いことはできない!

とりあえず臭い足を嗅ぎながら反対になって寝ようということに決まった。

次は短かったが面白かったドイツ人達との交遊を書きたいと思います。

つづく