アンチェインな生活 海外生活回想録編

もっと自由で有意義な生活を切望する中年男が、若かりし日、アンチェインだったカナダ生活を回想するブログ

アメリカ大陸周遊の旅まであと少し。予行練習でニューヨークへ行きます! パート1

ムーネです。25年以上前のトロントでのワーキングホリデー生活を記憶をたどりながら書いています。それではお楽しみください。

前にも書きましたが、トロントでのワーキングホリデー終了後、グレイハウンド・バスを使ってアメリカ合衆国を周遊する計画を立てていた。
手元には日本の親から送って貰った1ヶ月間乗り放題のフリーパスがすでにあった。
今はフリーパスは廃止されないとのこと。
貧乏旅行者にとって本当に便利なパスだったと思うので、復活を願いたい。

どの都市を回ろうか?何をやろうか?何日間滞在しようか?など考えるのが本当に楽しかった。

いきなり一人でアメリカ合衆国をバスで回るのも少なからず不安があったので、予行練習としてグレイハウンド・バスでニューヨークに行くことにした。

パートナー探しに奔走した。色々な奴に声をかけたが、良い返事はもらえなかった。一人で行こうかうかと、なかば諦めていたところに一人の男が手を挙げた。

寿司ビストロ「オーシャンブルー」で同僚として働くヒデオだった。サトルの後釜としてキッチンに配属されたが、ドンクサイ男だったので、中国人キッチン軍団からよくドヤされていた。

そんな男が私の誘いに乗ってきた。これと言って仲が良いというわけではなかった。
居ないよりは居た方が良い旅ができると思った。

「グレイハウンド・バスでの旅。出発は1週間後。大丈夫か?」

「行くよ〜!行くに決まってるやん!」

ヒデオと行くことが決まった。自分で声をかけたくせに、何を言っているんだ!と怒られるかもしれないが、何か嫌な予感がした。

とにかくマイペースな男で、変なオーラを持っていた。自称だが関西のボンボンでアパレル社長の御子息らしい。しかし格好はダサかった。

そんな男と行くんだからスムーズな旅にはならないと思った。
一緒に行くからには楽しい旅になるように願うしかなかった。

出発の日、私とヒデオはトロントのバスターミナルで待ち合わせをした。
出発は確か夕方頃だったと記憶している。
私とヒデオはニューヨークまでの長旅に備え、食料を買い込んだ。何せ10~12時間の長旅だ!途中にトイレ休憩があるんだろうが、小腹が空くと思い、パンやチョコレートなどを買った。

国境を越えて、アメリカへ入った。最初は物珍しさに景色を眺めていたが、後はひたすら爆睡していた。

とにかく長く感じた。シートの間隔はそんなに広くないので、身体中がバキバキになった。首も痛くなって早く着いてくれと願うしかなかった。

しかし本番のアメリカ大陸周遊の旅ではこんなんではなかった。10時間などお子ちゃまだった。
30時間以上バス乗りっぱなしの地獄のコースがあったのだ。

そんな地獄のバスの旅が控えていようとはこの時の身体痛い痛いの私には知る由もなかった。

朝日が昇ってきた時刻、ニューヨークの摩天楼が見えてきた。これが映画でしか見たことのないニューヨークか!感慨深いものがあった。

バスターミナルに着くと私とヒデオは疲れてはいたが、朝食を食べた後で、宿を探すことにした。

辺りを見渡すとまさにニューヨークだった。オモロイ旅になりそうだと感じた。しかしヒデオを見ていると一抹の不安が過った。どうなることやら。
つづく